(コミックス12巻の選抜合宿昼食のすぐ後、の話)

 

 

「なんで、自動販売機って四角いんすか」

「…丸かったらいいのか。つーか、なんでお前ここにいんの」
昼食後。誰もこないような場所を見つけて、ひとり精神統一でもするはずだった。なのに、まるで当然のようにやってきた藤代が三上の隣に腰を降ろす。非常階段の踊り場。屋外のくせに前方に建物があるせいで日光が入らなくて、思いのほかひんやりした風が通り抜けていく。
「TVもなんで四角いんすか?あ〜、なんかすごいイライラする」
言うと同時にガンガンと非常階段の手すりを力任せに拳でたたく。そのせいで鉄筋作りの階段は音を反響させて、三上は僅かに顔をゆがめた。
「…んだよ、さっきまでゴキゲンだったじゃねえか」
「っていうかなんで世の中四角だらけなんすか?」
「しんねえよ…」
まともに取り合わないに限ると適当に返事をして、立ち上がる。今は1人でいたい気分だった。ところが、
「どこいくの」
怒気を滲ませて掴まれた左手に、それを阻まれてしまう。三上はうんざりしながら、藤代を見下ろした。
「……離せ」
発した低い声と共に、すがるように見上げる瞳を睨みかえす。
「やだ」
すねたような、それでいて挑むような視線。しばらくにらみ合った後、三上ははあ、と諦めたように大きくため息をついた。
「あのなあ、さっきからなんなんだよ、何か言いたいことあるなら言えっつうの」
そらされた視線、と、肌にまとわりつく生ぬるい空気。
「俺、知らなかった、先輩が………うに好きなんて」
数秒間の沈黙の後に発せられた言葉。空気の重さと相反したその言葉の内容に、三上は思わずプッとふきだしてしまう。
「なんすか」
間髪いれずに藤代が、ムッとした調子で睨み返す。
「………や、なんでも…」
「なんで間宮なんかが先輩の好きなもの知ってるんすか。俺しらないのに」
「なんだよ、ヤキモチかよ。気持ちわりい」
「あ、ひど。先輩だってヤキモチ焼いてたくせに〜」
「はあ?誰が?誰に?」
「先輩が、俺に」
「そんなもん一生かかっても焼けません。出直してきてください」
「なにいってんですか〜、昼飯の時俺のことすごい見てたくせに。俺恥かしかったですよ〜。なんかのプレイかと思いましたもん」
「残念、俺は脇目も振らず飯を食ってました」
「先輩、そんなだったらこれから3日間持ちませんよ〜?」
「何いってるんですか?何のことだか…」
強引に振りほどこうとした手が逆にぐいっと引かれて思わずバランスを崩して前のめりになる。素早く割り込んだ藤代の手が、倒れ込むスピードをやんわりと緩める。流れるような動作で首に回された手が強引に顔を寄せ目前で楽しそうに笑って、そして寄せた唇で掠めるようにぐるりと唇を撫でると、ついばむように唇を割った。

「先輩、あんまり水野に遊ばれないでくださいね」
「…、死ね」

 

******

なんで間宮が三上くんの好きなもん知ってるのかすごい気になった。実は2人はマブダチだといい。ホモだとなんかドロドロしてて怖そうだから…。特に間宮が…。そしてプリンに醤油かけるとウニの味する(と言われてる)からプリン好きなのかな〜、と勝手に思ってタんだけどどうやら、本気でいやそうだった。照れ隠しで嫌がってるのかと(勝手に)思ってたぜ。アイタ!